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【早期英語教育の失敗例】マレーシア母子留学でセミリンガルになった子供たち

アイキャッチ画像マレーシア情報
お悩みママ
お悩みママ
 テレビでマレーシアへの母子留学についての番組をやっていたけど、うちの子も留学させようかしら?
パパ
パパ

これからは英語ができないと生きていけない時代だと思うし、子供が小さいうちから早めに教育するのがいいかもね!

 

お悩みママ
お悩みママ

でも、テレビの情報だけを信じてほんとに大丈夫なのかなぁ…

 

こういったお悩みにお答えします。

 

本記事のテーマ

【早期英語教育の失敗例】マレーシア母子留学の実態を解説します!

 

読者さんへの前置きメッセージ

本記事は「早期英語教育や母子留学に興味があるけれど、本当に効果があるかどうか知りたい」という方に向けて書いています。

この記事を読むことで「言語形成期に多言語教育を行うことのリスク」と「子供の英語教育はどの程度が適切か」が分かるように執筆しました。世間であまり語られていない、マレーシア母子留学の実態についてもまとめています。

 

\海外留学に興味のある方や子供の英語教育に関心のある方はこちらの記事もどうそ/

記事の信頼性

記事を書いている私は、英語学習歴28年。英語、マレー語、広東語を話すマルチリンガルです。英検1級/TOEIC960点。留学経験ゼロで海外就職し、海外在住歴は17年ほど。在住歴が長く、私自身も小学生の子供を持つ母親であることから、マレーシアに渡航される方の子育ての悩みを多数聞いてきました。
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早期英語教育の危険性

baby and mom

容赦ないスピードで、国際化の波が押し寄せる現代社会。

 

英語を学ぶことの意義や、英語が話せることの価値はますます大きくなっています。

 

ビジネスの世界で英語ができる人の活躍ぶりを見ると、英語ができた方が得なことは明らかです。

 

もちろん「英語だけできても意味がない」というネガティブな意見もありますし、英語よりも大切なことがたくさんあるのも分かります。

 

結論からいうと、英語ができるにこしたことはないのです。

 

英語の重要性が高まるつれて「早くから子供に英語を学ばせないと、バイリンガルになれない」あるいは「子供の英語教育は、早く行う方が効果的」といった情報が飛び交い、子供の英語教育についていろいろと悩む保護者が増えています。

 

一方で、行き過ぎた早期教育が子供の言語形成に悪い影響を与えることについては、あまり知られていません。

 

 

子供の言語形成期は10歳まで

T.アンダーソン博士グラフ

上記は、言語学の権威 T.アンダーソン博士の「年齢別・言語習得能力比較」からの引用です。

 

このグラフから、0歳~10歳までは特別な学習をしなくても、自動的に言葉を身につけていけることが分かります。

 

0歳~10歳までの時期を「言語形成期」と言います。

 

言語形成期を超えると、徐々に体験的習得能力が落ちますが、代わりに論理的習得能力が上がってきます。

 

簡単に言えば、10歳までは何もしなくても言語を習得できるけど、10歳からは何か学習しなければ言語を習得できないと言うことです。

 

しかしながら、論理的習得能力が高くなると、「文法や語彙」といった「言語の理論」を理解できるようになるため、言語習得のスピードはずっと早くなります。

 

大人が子供よりも効率的に早く英語を学べる理由がここにあります。

 

言語形成期に多言語環境で育つとなにが起こる?

小学生の子供たち

 

先述のグラフを見て「言語形成期にたくさん英語を覚えさせた方が良いのでは?」と不安になった方がいるかもしれません。

 

言語形成期に他の言語にたくさん触れた子供は、本当にいろんな言語を話せるようになるのでしょうか?

 

実は、0歳~10歳までの間に、生活言語よりも学習言語に触れる時間が長くなると言語混乱を起こス可能性が高くなると言われています。

 

つまり、バイリンガルではなく、一言語もまともに話せない「セミリンガル」になるリスクがあるのです。

 

一言語もまともに話せない「セミリンガル」とは?

break-up robot

 

言語混乱はどのように起こるのでしょうか?

まずは、下の図をご覧ください。

 

この図から分かることは、

 

生活言語と学習言語に触れる時間の長さが

 

学習言語>生活言語

 

になると、言語混乱を起こす可能性が高まるということです。

 

例えば、一日のうち大半を保育園で過ごす子供の場合は、両親と接している時間より、保育園で過ごす時間の方が長くなります。

 

保育園での学習言語→英語

家庭での生活言語→日本語

 

と仮定すると、

 

英語に接する時間(7時間)>日本語(2時間)

 

のような状態になります。

 

言語形成期にこのような環境で育つと、子供は日本語を理解できても英語でしか話せなくなったり英語と日本語がごちゃまぜにして会話するようになります。

 

この状態をセミリンガル(またはダブルリミテッド)といいます。

 

セミリンガルになった子供は、まともに話せる母語がないという状態で成長します。

学校での勉強や社会に出てから、徐々にコミュニケーションの問題が出てきます。

 

例えば、日本語で作文したいのに分からない単語があれば、英語で補ってしまったり、英語で話したいのに、分からない単語があると日本語で補ってしまったり、

 

それぞれの足りない部分を別の言語で補完しながら話すことしかできなくなるのです。

 

セミリンガルは、これまで両親が違う言語を話すハーフの子供たちに特有の問題と言われてきました。

 

最近では、仕事の都合で海外駐在したり母子留学したりする人が増え、日本人同士の両親の元で育った子供がセミリンガルになるケースも出てきています。

 

【マレーシア母子留学の失敗例】セミリンガルになった子供たち

upset infant

 

ここ数年、マレーシアに渡航してくる日本人の多くは、現地のナーサリー(保育園)に子供を預けたり、子供をインター校に通わせたりする傾向にあります。

 

そういったご家庭が増えるにつれ「子供の言葉がなかなか出ない」「子供の日本語がおかしい」など、子供の言語形成に問題を抱えるケースも増えてきました。

 

どんなトラブルが起こるのか?私が実際に見聞きしたことをいくつかお話してみたいと思います。

 

セミリンガルのケーススタディ1:0歳からナーサリーに行ったEちゃん

英語ブロックを口に入れる赤ちゃん

Eちゃんは、お母さんが現地採用で働いているワーキングママでした。

お母さんが仕事へ行くために、Eちゃんは0歳3ヶ月から、コンドミニアムに併設されているローカルナーサリーに預けられています。

ナーサリーへ行くのは朝8:30~夕方16:30までの8時間。その間は、英語・マレー語で保育園の先生がお世話をします。

家族と接するのは17:00~19:00ぐらいで、寝るまでの約2時間ほど。

Eちゃんは、1歳11ヶ月になりましたが、日本語はまったく話さないし、英語も一言しか話せません

唯一きちんと言える言葉は”No.”だけです。

 

セミリンガルの子供は、母語もその他の言語もなかなか発話できないという特徴があります。もちろん、子供が言葉を話始める年齢には個人差がありますが、Noは言えるのに日本語が一言も出ないのは、セミリンガルになっている可能性が高いと考えられます。

セミリンガルのケーススタディ2:1歳からナーサリーに行ったYくん

hiding baby

Yくんは、駐在しているご夫婦の間にマレーシアで生まれました。

お母さんは専業主婦でしたが、外国での出産・子育てが体力的に厳しかったため、Yくんが1歳になる頃から近所のナーサリーに預けられるようになりました。

ナーサリーの滞在時間は、9:00~17:00までの8時間。帰宅後、両親と過ごす時間は18:00~20:00までの2時間ほどでした。

Yくんの場合は、Eちゃんよりも言葉が出るのが遅く、4歳になっても”No.”と”More”の2語しか話せませんでした。

5歳で日本へ本帰国し、幼稚園は日本語の幼稚園に通いましたが、しばらくはうまく日本語が話せなかったようです。

 

子供が言葉を発する年齢には個人差がありますが、4歳まで言葉が出ないというのはかなり深刻な例と言えるでしょう。NoとMoreだけは言えたので、セミリンガルになっている可能性が高かったと考えられます。

マレーシア母子留学のケーススタディ1:小4女子Kちゃんの場合

sad girl

 

Kちゃんは、日本の小学4年生の時に、母子留学でマレーシアにやってきました。

英語力が足りなかったので、2学年落として2年生からやり直すという条件付きで、ローカルインター校への入学許可をもらいました。

最初は、まったく英語が分からず授業についていくのが精一杯。

しかも、本当は4年生なのに2年生からもう一度やり直すというのも、なかなか辛いものだったようです。

 

毎朝6:15のバスで家を出て、学校から戻るのは14:00頃。1年9ヶ月の滞在で、Kちゃんは英語をずいぶん話せるようになりました。

 

ところが、ほっとしたのもつかの間、今度は日本語が出てきません。

 

一緒に食事をしている席で「マルリンさん、AugustはいつからHolidayで日本に帰るの?」という感じで、Kちゃんはルー大柴のような話し方をしてきます。

 

英語か日本語のどちらか一方の言語で話せないだけでなく、日本語の読み書きもあやふやになりました。

 

自分の知らない語彙を他の言語で補完して話すというセミリンガルの子供によく見られる特徴です。

 

マレーシア母子留学のケーススタディ2:小2男子Hくんの場合

sad boy small

Hくんの両親はマレーシア・セカンドホーム・プログラムを利用して、6年前に一家でマレーシアに移住してきました。

Hくんは6歳~8歳まで、イギリス系のインターナショナル校に通っていました。

しかし、8歳になってHくんの日本語があまりにもおかしくなってきたので、お母さんは心配してHくんを日本人学校へ転校させました。

 

日本人学校へ転校してから、Hくんは前より日本語をうまく話せるようにはなってきたものの、やはり同年代の子供に比べて日本語の語彙力が足りません。

 

学校の成績も落ちる一方なので、結局1年7ヶ月ほど日本人学校へ通った後、再びイギリス系の別のインターナショナル校へ転校しました。

 

Hくんも「僕はね、昨日PE classでVaulting horseしたよ」という感じで、日本語と英語をごちゃ混ぜにして話します。

 

また、話始めるときに「あ、ああ、あの~」「う、ううんと~」のように会話の出だしに少し吃音が入るのです。Hくんは日本語でも英語でもスムーズに会話するのが難しいようです。

 

文頭に吃音が入りやすくなるのもセミリンガルの子供の特徴で、脳内で言語混乱が起こっているために、発話する言葉の選択で迷ってこのような症状が出ると考えられています。

早期英語教育は適度に行うなら効果大!

child with mom

 

上記の例は、これまでお聞きした悩みのほんの一部にすぎません。

 

言語形成期に必要以上に英語に触れる時間を持つと、英語はおろか日本語もきちんと話せなくなるセミリンガルになる確率が非常に高いということが分かります。

 

マレーシアに長年住んでいるので、母子留学についての相談をよく受けますが、言語形成期の母子留学について私は反対の立場です。

 

では、子供を英語教育することに対して、すべて反対なのかというとそうではありません。

 

生活言語>学習言語となるよう気をつければ、言語混乱するリスクは限りなく低くなります。

 

日本国内で普通に生活しながら、1日30分ほど英語に触れるぐらいであれば、母語に影響を与えることはほとんどないと考えます。

 

実際、私の娘は赤ちゃんの頃から英語を耳にしながら成長してきましたが、敬語を含めた日本語を完璧に話しつつ、英語も日常会話レベルで話せるようになっています。

 

過度な早期英語教育は子供の言語形成を阻害しますが、適度な英語教育を行えばそれなりに効果を得られるということです。

 

子供の英語学習のタイミングと年齢別の学習内容については、以下の記事を参考にしてください。

母子留学はハイリスク・ノーリターン!まずは一言語を確立しよう!

寝ている子供

早期英語教育の危険性とセミリンガルの問題について解説しました。

近年では、ライフスタイルの多様化により日本から海外へ移住する人も増えています。

 

母子留学も一つの手段ではありますが、子供の言語形成の観点から言うとデメリットしかありません。

 

兎を追う者は一兎をも得ず

 

まずは、一言語をしっかりと確立し、その上に第二、第三言語を積み上げていきましょう。

 

テレビやマスコミは「マレーシア母子留学の華やかで楽しそうな一面」しか報道していません。

子供の将来にとって、最も重要なことは何か。見誤らないようににしたいものです。

 

留学しなくても家庭でできる英語学習方法はたくさんあります。興味のある方は以下の記事をご覧ください。

 

 

 

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